結論(まず要点)
タイで会社に雇用されて働く人のNon-Immigrant B(以下 NON-B)ビザは、入国時に与えられる滞在許可がおおむね90日です。その期間内にワークパーミット(就労許可)を取得し、雇用を理由とする「滞在延長(エクステンション・オブ・ステイ)」をイミグレーションに申請することで、最初の入国から1年までの滞在に切り替えるのが基本の流れです。
NON-Bの延長は、ワークパーミットとセットで考える点が他のビザと大きく違います。就労ビザ(イミグレーション管轄)とワークパーミット(労働省管轄)は別の許可で、タイで合法的に働き・暮らすには両方が必要です。延長は1年ごとに、期限が切れる前に更新します。延長の申請書はTM.7、延長手数料は1,900バーツです。
必要書類は申請者本人の書類だけでなく、雇用主(会社)側の登記・株主名簿・財務・外国人雇用の必要性を示す書類まで広く求められます。具体的な書類リストや細かな運用は管轄イミグレーションにより異なるため、本記事は公式情報で確認できる範囲の骨格を示し、最終的な要件は管轄でご確認ください。
NON-Bとワークパーミットの関係
「ビザ」と「就労許可」は別物です。どちらが欠けても合法的な就労になりません。
- NON-Bビザ/滞在延長: イミグレーション(入国管理局)が発給。タイに滞在する許可。
- ワークパーミット(就労許可): 労働省(雇用局)が発給。タイで働く許可。
- 両方そろって初めて、就労しながら滞在できます。働く場合はワークパーミットの取得前に就労を始めないでください(罰則の対象になり得ます)。
- 実務上、ワークパーミットの有効期限を超えて滞在延長は与えられません。延長とワークパーミットの更新は足並みをそろえて進めます。
入国から1年延長までの基本フロー
NON-Bで入国した後、90日の滞在許可のうちにワークパーミットを取り、雇用を理由に延長へ切り替えます。
- 1. NON-Bビザで入国(入国時の滞在許可はおおむね90日)。
- 2. 滞在期間中にワークパーミット(就労許可)を取得。
- 3. ワークパーミット取得後、雇用を理由とする滞在延長(1年)をイミグレーションに申請。
- 4. 以後は1年ごとに、期限前に延長とワークパーミットを更新。
- 細部の順序・要件は管轄や会社の状況で変わります。最新は管轄イミグレーション・労働省でご確認ください。
延長申請の主な必要書類
申請者本人の書類に加え、雇用主(会社)側の書類が広く求められます。下記は公式に挙げられている代表例で、管轄により追加・差異があります。
- 滞在延長申請書(TM.7)
- パスポート(本体およびコピー)とワークパーミットのコピー
- 雇用主の会社登記証明(登記官の証明付き)・株主名簿(同)
- 外国人を雇用する必要性を示す書類、雇用証明(在籍する外国人の人数・給与等を記載)
- 申請者の所得税・社会保険の納付状況を示す書類(更新時に求められることがあります)
- 雇用主の決算書(直近会計年度・公認会計士または税務監査人の監査済)で、事業が実体をもって継続していることを示す書類。
- 上記は代表例です。会社の業種・規模、申請者の状況、管轄イミグレーションにより必要書類は異なります。実際の提出前に管轄の最新リストをご確認ください。
雇用主(会社)側に求められる主な要件 — 資本金とタイ人比率
雇用を理由とする1年延長では、申請者だけでなく雇用主(会社)側が一定の要件を満たしているかが審査されます。下記は入国管理局の延長基準(イミグレーション・ビューロー令327/2557)に挙げられている代表的な目安で、業種や管轄運用により異なります。
- 払込済登記資本金: 2,000,000バーツ以上が目安(外国人従業員1名あたり)。
- タイ人従業員比率: 外国人従業員1名につき常勤タイ人従業員4名が目安。
- 駐在員事務所(Representative Office)・地域統括事務所(Regional Office)・支店(Branch Office)などは、タイ人比率の目安が外国人1名につき常勤タイ人1名へ緩和されるなど、業態により別扱いとなる場合があります。BOI 認可案件なども運用が異なります。
- 上記は目安であり、最低賃金(申請者の月額給与)など他の条件も併せて審査されます。具体的な基準・例外は会社の業態・管轄イミグレーションにより異なるため、申請前に管轄の最新運用をご確認ください。
延長手数料とタイミング
延長手数料は1,900バーツです。更新は期限切れの前に余裕をもって進めます。
- 延長(エクステンション・オブ・ステイ)手数料: 1,900バーツ。
- 延長は期限前に申請します(期限を過ぎるとオーバーステイになります)。
- ワークパーミットの更新と延長は連動するため、雇用主側の準備期間も見込んで、期限のかなり前から段取りするのが実務的です(目安の前倒し日数は会社・管轄により異なります)。
- 申請時の手数料・受付運用は変更されることがあります。最新は管轄イミグレーションでご確認ください。
延長後も続く2つの手続き — 90日レポートと再入国許可
1年延長が下りても、就労者として継続的に行う手続きがあります。延長とは別物なので混同しないでください。
- 90日レポート(住所の届出): 連続90日以上タイに滞在する外国人は、現在の住所を連続90日ごとに届け出ます。これは滞在許可の延長とは別の手続きで、延長したかどうかに関わらず必要です。窓口・郵送は期限の15日前〜7日後に提出できます。
- 再入国許可(Re-entry Permit): 延長中のNON-Bは、再入国許可を取らずに出国すると滞在許可が失効します。一時帰国・出張で出国する前に取得してください。目安はシングル(1回)約1,000バーツ、マルチ(複数回)約3,800バーツです(空港申請は割増)。
- 住所の届出(TM30)が未提出だと延長が滞ることがあります。引っ越し・入国のたびの届出状況も確認しておきましょう。
つまずきやすいポイント
- ワークパーミットを取る前に就労を始めてしまう(取得前の就労は罰則の対象になり得ます)。
- 延長とワークパーミットの期限がずれ、ワークパーミット失効で延長が認められない。両者を足並みそろえて更新する。
- 出国前に再入国許可を取り忘れ、戻ったら滞在許可が失効していた。出張・帰国の予定があれば事前に取得する。
- 雇用主側の書類(登記・株主名簿・財務)準備が間に合わない。会社側の段取りを早めに動かす。
ご利用にあたって(免責)
本記事は2026年時点の公開情報に基づく一般的な解説です。必要書類・料金・更新条件・運用は時期や管轄イミグレーション、会社の状況により異なる場合があり、最新は管轄イミグレーション・労働省でご確認ください。ビザの将来の取得や更新結果を保証するものではありません。
よくある質問
- NON-Bビザがあれば、すぐにタイで働けますか?
- いいえ。NON-Bは滞在のためのビザで、就労にはワークパーミット(就労許可・労働省発給)が別途必要です。ワークパーミットの取得前に働き始めないでください。両方そろって初めて合法的な就労になります。
- NON-Bの延長手数料と申請書は?
- 滞在延長(エクステンション・オブ・ステイ)の申請書はTM.7、手数料は1,900バーツです。延長は期限が切れる前に申請します。手数料・運用は変更される場合があるため、申請時に管轄イミグレーションでご確認ください。
- 延長は毎年必要ですか?
- はい。雇用を理由とする滞在延長は通常1年単位で、継続して働くなら毎年、期限前に更新します。ワークパーミットの更新と連動するため、両方を足並みそろえて進めてください。
- 延長したのに90日レポートも要りますか?
- 必要です。90日レポートは現在の住所を届け出る別の手続きで、滞在延長の有無に関わらず、連続90日滞在ごとに行います。延長と混同しないよう、それぞれの期限を管理してください。
出典(一次情報)
本記事の制度・要件は下記の一次情報に基づきます。申請前に最新版をご確認ください。
監修者
WALC VISA Consulting 代表
タイ在住 13 年、タイ長期 VISA サポート事業 7 年目のプロフェッショナル。WALC VISA Consulting 代表として、DTV・Thailand Privilege・LTR・リタイアメント・結婚・学生など全種別の取得・運用コンサルティングを統括しています。
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