結論(まず要点)
LTR(Long-Term Resident Visa)は、富裕層・年金受給者・リモートワークの専門家・高度人材を対象とした、最長10年滞在できるタイの長期ビザです。BOI(タイ投資委員会)が所管し、税優遇や年次報告(90日レポートが年1回に緩和)などの特典があります。
税優遇は「LTRなら一律に得」ではなく、区分によって内容が異なります。17%の一律所得税は主に高度人材区分、国外源泉所得の優遇(実質免税とされる扱い)はそれ以外の主要3区分が中心です。LTRの要件は2025年に見直されており、最終判断はBOI公式の最新基準でご確認ください。
LTRの4つの対象カテゴリと条件の目安
LTRは申請者の属性に応じて4区分に分かれ、それぞれ資産・収入・投資などの基準があります(金額は多くが米ドル建て)。
- 富裕層(Wealthy Global Citizens): 高資産の個人。資産100万USD以上+タイへの投資50万USD以上 等(年収要件は2025年改定で撤廃)。
- 年金受給者(Wealthy Pensioners): 50歳以上の年金生活者。年金など受動的収入 年8万USD以上/年4万USD以上+投資25万USD等でも可。
- タイで働くプロ(Work-from-Thailand): 海外企業のリモート勤務者。年収8万USD以上(年4万USD以上+学位等で可)。実務経験要件は緩和傾向。
- 高度人材(Highly-Skilled): 重点産業の専門家・研究者。年収8万USD以上/公的機関・学術等は基準が緩和・免除の場合あり。
- LTRの要件は2025年に見直され、一部の年収・実務経験・扶養人数などの条件が緩和・撤廃されたとされます。上表は考え方の目安で、該当判断はBOI公式(LTR)の最新基準でご確認ください。
カテゴリ別のポイント
- ① 富裕層: 保有資産・年収に加え、タイ国債・直接投資・不動産などへの投資が基準となる区分。
- ② 年金受給者: 50歳以上で、年金など安定した受動的収入が基準。収入が一定額に届かない場合に投資の追加で補えるパターンもあります。
- ③ タイで働くプロ: 海外の確立した企業にリモートで雇用されている専門職向け。年収・実務経験・勤務先企業の実績が見られます。
- ④ 高度人材: タイが重視する産業分野の専門家・研究者向け。公的機関・学術分野などでは収入基準が緩和・免除されることがあります。
税優遇:どの区分が何を得る?
LTRの税優遇は区分によって内容が異なります。「LTRなら一律に得」ではない点に注意してください。
- 高度人材(Highly-Skilled): 対象業種での個人所得税が17%の一律税率(通常の累進課税より低率)。
- 富裕層・年金受給者・タイで働くプロ: 国外源泉所得に関する優遇(送金課税の対象外=実質免税とされる扱い)。
- 2024年以降、タイの居住者は国外所得の国内持ち込み(送金)課税のルールが論点になっています。適用は所得の種類・送金時期・居住者判定など個別事情に大きく左右されます。
- 具体的な節税効果は、税務の専門家・BOI/タイ歳入局の最新案内でご確認ください。17%一律税率の対象業種・条件、国外所得課税のルールは改定されることがあります。
税以外の主なメリット
- 最長10年の滞在(5年+更新で5年の形)
- マルチエントリー(何度でも出入国可能。原則 再入国許可は不要)
- 90日レポートが年1回の報告に緩和される(住居のTM30届出は別途必要)
- 空港のファストトラックなどの利便性
- デジタルワークパーミット(対象区分)
- 配偶者・子など扶養家族も同時に取得できる(人数上限は2025年改定で緩和。最新はBOI要確認)
- 取得・発給にかかる手数料は10年で50,000バーツ程度が目安です(改定あり)。
LTRが向いている人・どの区分か当たりをつける
数年〜10年スパンで腰を据えたい、頻繁な90日レポートの手間を避けたい、資産・年収・専門性のいずれかで基準を満たせる人に向きます。次の3問で当たりをつけられます。
- タイで働く(タイ法人で就労)? → LTRではなくビジネス系も検討(LTRは海外企業のリモート勤務が前提)
- 海外企業にリモート雇用されている? → タイで働くプロ(Work-from-Thailand)
- 就労せず資産・年金で暮らす? → 50歳以上で年金中心なら年金受給者、高資産+投資なら富裕層
- 高度な専門職で対象業種に当てはまるなら、17%一律税のメリットが大きい高度人材区分が候補。「節税が目的」なら区分選びを最初に詰めるのが実務的です。
ご利用にあたって(免責)
本記事は2026年時点の公開情報に基づく一般的な解説です。各区分の基準・税優遇・扶養人数・手数料は改定される場合があり、最終判断はBOI(LTR)・タイ歳入局・税務専門家の最新案内に従ってください。将来の取得や税効果を保証するものではありません。
よくある質問
- LTRだと90日レポートは不要になりますか?
- LTRでは90日ごとの報告が年1回の報告に緩和されます。届出の頻度が大きく下がり負担が軽くなりますが、住居のTM30届出は別途必要です。詳細な運用はBOIの最新案内でご確認ください。
- 年収基準(8万USD目安)に少し届きません。申請できませんか?
- 区分によっては、収入が基準に届かない場合に投資の追加(年金受給者で投資25万USD等)や、学位・実務経験などで補えるパターンがあります。条件は改定されるため、最新の基準と代替条件をBOIで確認するのがおすすめです。
- LTRなら税金が安くなりますか?
- 優遇内容は区分で異なります。17%の一律所得税は主に高度人材区分が対象です。富裕層・年金受給者・タイで働くプロは国外源泉所得の優遇(実質免税とされる扱い)が中心で、一律税率の対象ではありません。実際の効果は所得構成・居住者判定など個別事情によるため、税務の専門家に確認してください。
- 家族も一緒にLTRを取れますか?
- 配偶者や子などの扶養家族も同時に取得できます。人数上限は2025年の改定で緩和されたとされます。最新の上限・条件はBOIの案内でご確認ください。
出典(一次情報)
本記事の制度・要件は下記の一次情報に基づきます。申請前に最新版をご確認ください。
監修者
WALC VISA Consulting 代表
タイ在住 13 年、タイ長期 VISA サポート事業 7 年目のプロフェッショナル。WALC VISA Consulting 代表として、DTV・Thailand Privilege・LTR・リタイアメント・結婚・学生など全種別の取得・運用コンサルティングを統括しています。
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